Trouble with Ankle Joint

トップページ  人工関節センター  足部・足関節でお悩みの方

足部・足関節でお悩みの方

もう一度、自分の足での歩行ができるようになる

当院では、全国的に手術率も高い「股関節」「膝関節」だけでなく、「足部・足関節」に関しても手術が可能です。スポーツでのアキレス腱断裂から、外反母趾や扁平足まで、幅広い症例が足関節にはあります。足に違和感を感じる・不安に思うことがあれば、ご相談ください。

担当医紹介

高倉義典(奈良県立医科大学名誉教授・当院顧問)

専門分野:足の外科
先生からのメッセージ(外部サイトへリンク)

執筆著作「名医が教える 足のお悩み完全解決バイブル: 痛み・不調の理由と治し方がよくわかる」
足に起こるけがや病気の原因を分りやすく説明し、自分でできる応急手当の方法などを紹介。整形外科を受診すべき目安も示されてあります。
足の健康のための靴の選び方、正しい歩き方、毎日の足の手入れ方法などを解説。一家に一冊、足のバイブルとして活用してください。

足関節に起こる疾患

  • 足関節捻挫
  • 変形性足関節症
  • 距骨骨軟骨損傷
  • 関節リウマチ
  • アキレス腱断裂

足部に起こる疾患

  • 扁平足
  • 外反母趾

足部・足関節の痛みを引き起こす原因となる疾患を紹介していきます。

足関節捻挫

足の捻挫は、整形外科の外傷のうちでもっとも発生頻度が高く、日本では1日に1万2千人が捻挫をしているといわれており、階段や溝などの段差がある場所で、踏み外して足が内がえしに捻じれて起こります。
捻挫した直後、足関節の外側を中心に腫れてくる場合は、ただちに水や氷をタオルに含ませたり包んだりして患部を冷却します。冷却して1~2時間後には湿布を貼って、捻挫した足関節を少しきつめに圧迫包帯固定を行って安静にします。翌日に足関節外側の周辺に赤紫の皮下出血が認められ、歩行時痛が持続しているようであれば、整形外科の診察を受けるべきです。

変形性足関節症(へんけいせいあしかんせつしょう)

足関節の軟骨がすり減ったり骨が変形したりすることで、関節面に痛みが起こる病気です。関節軟骨が摩耗したり、骨の突起ができたりして痛みや運動に制限がでたりしてしまうことがあります。頻繁に捻挫を繰り返していた人や足首の骨折をしたことがある人に多い傾向ですが、他にも、関節炎や細菌感染が原因になることもあります。明らかな原因がなく発症することもあり、理由がある場合も様々な要因がありますが、その一つである加齢とともに進行する場合も多く見られます。

すり減った軟骨は自然と元に戻ることはりません。そのため、変形の程度が軽いときには、足底挿板(インソール)を用いて足部の外側を持ち上げることや、足首のサポーターを用いて足首の安定化を図ることもあります。足関節内に痛み止めや炎症止めの注射をすることもありますが、変形が進行している場合には、変形の程度・年齢・活動性などによって手術療法を選択することもあります。

距骨骨軟骨損傷(きょこつこつなんこつそんしょう)

足関節を捻挫(ねんざ)した時に発生しやすい疾患です。足関節のかかとの上にある骨(距骨)の関節面の軟骨が傷ついたり剥がれたりすることで、軟骨が損傷し、足首に痛みを感じます。明らかなケガが無くても発症することがあり、毎日繰り返される運動で徐々に発生する場合や、スポーツ後に痛みや腫れがあるときにはこの疾患の可能性があります。

関節リウマチ

主に関節の内側にある滑膜が腫れや痛み、こわばりなどの炎症を起こすことで、原因で関節の変形をきたす疾患です。特定の関節に起こるのではなく手足の指や肘、手首、足首などから発症し、次第に大きな関節に発症していきます。関節リウマチのメカニズムはまだ完全には分かっていませんが、遺伝による体質にウイルスなどの刺激が加わって免疫に異常が生じて起こる「自己免疫疾患」のひとつと考えられています。臓器障害などの自己免疫疾患などの合併症をあわせ持つことも多いので、合わせて治療するを考えていく必要があります。

アキレス腱断裂

踏み込みやダッシュ、ジャンプなどの動作で急激に筋肉が収縮したり、伸ばされたりするときにアキレス腱が断裂することがあります。主に中年期のスポーツ活動中に起こることが多く、老化などによりアキレス腱が変性することが原因だと考えられています。「ふくらはぎを叩かれた」「ボールをぶつけられた」ような感覚であり、腱が断裂した時の音を自覚することがあります。

扁平足(へんぺいそく)

扁平足とは、アーチを支える組織が何らかの原因で、足の裏にある土踏まずが変形してしまい、足裏が平らになった状態のことを言います。人の足は本来、横から見ると土踏まずに沿って弓のようにアーチ型になっています。このアーチ型によって、足の骨の周囲にある筋肉や腱、靱帯などの組織によって支えられています。かかとの骨が内側に傾くことが多く、そのために足にうまく体重をかけることができず、体が安定せず、片足立ちをしにくいという特徴があります。
扁平足自体は病気とはではありませんが、症状が重症化すると外反母趾などを引き起こす可能性もあります。

外反母趾(がいはんぼし)

親指が小指のほうへ曲がり、親指の付け根が突出して痛むもので、ヒールが高くつま先の細い靴など、足に強制力があったり、負担のかかる靴を履き続けることで起こります。外反母趾になる年齢も様々ですが、30代後半以降でも発症される方がいます。その原因としては、若い時の職業が関係していたり、中年期の肥満や筋力低下によっても発症することがあります。

代表的な治療法

上記で紹介した症例のほとんどが保存的治療を適用し治療を行いますが、症状が進行しますと手術というケースもありますので、「もしかして」と思われる方は早めに受診するようにしましょう。

人工足関節置換術

人工足関節置換術は、外傷や変形性足関節症、関節リウマチなどによって、変形した足関節の骨を取り除き、金属やセラミック、ポリエチレンなどで製作された人工足関節に付け替える手術療法を指します。この手術を行うことで、痛みの緩和や関節動作の改善が期待できます。

使用する人工足関節は、コバルトクロム合金やチタン合金などの金属材料と超高分子量ポリエチレンなどの樹脂材料で構成され、金属製の距骨コンポーネントを距骨側へ、金属製の 脛骨コンポーネントと樹脂製の脛骨ポリエチレンプレートを脛骨側へ設置していきます。脛骨ポリエチレンプレートは軟骨の役割を担っており、距骨コンポーネントとはまり合うことでスムーズな関節の動きが得られます。人工足関節は、主に、骨セメントを用いて固定されます。

特に、足関節固定術という手術は現在でも広く行われています。これは、足首を固定して安定させる手術なのですが、固定しても足の動きには大きな支障がないと考えられ、4割の方は正座もできるようになる大変有効な手術です。人工足関節の耐用年数は、これまでの実績は20年と考えられており、当院では足関節固定術を選択しています。